マビノギ的な内容の小説を書いてるかもよ。 マビノギ知らない人も楽しめるように書きたいのかもよ。

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stage2-18 舞台裏の役者達

「おや、失礼。どうせならイウェカが昇ってから出てくればよかったのですが、正確な時間がわからないもので」
ケイゴの目の前で、クマから人間に姿をかえた男が言う。
服や髪は全体的に茶色っぽく、クマの時の姿を知っている者なら、その姿をなんとなく彷彿とさせなくもない。
「お、オオカミ男ならぬクマ男…!」
ケイゴが、冗談混じりに言う。
こんな唐突な展開でもさほど動揺しないのは、常に心に余裕を持つよう心掛けているからか。
「話が早くて助かります。わたしがクマになるのは昼間なので、オオカミ男とは逆ですが」
「昼夜逆転のクマ男ってわけね」
タルラークは、その表現に少し笑って、
「面白い例えです。…私のことより、今の自分の状況が気になるのでは?」
ケイゴは、そういえばそうだな、と思い出し、
「あんたとの衝撃的出会いのせいで忘れてたぜ。通りすがりのクマってわけでもなさそうだし、話を聞かせてもらえると助かる」
ケイゴの言葉を聞いたタルラークは、どこから離すべきか考える。
「そうですね…、…マウラスと…いえ、赤いローブの男と闘ったことは覚えていますか?」
聞いたケイゴは、「あ」、と呟き、思い出した。
「ああ、そうだそうだ、闘った…ってほどのもんじゃなかったけどな。防戦一方の末に、ガードごと吹っ飛ばされて気絶したんだった。そんで、あんたが赤ローブの爺さんを倒して俺を救ってくれたってワケ?」
「いえ、倒れた貴方を食べるフリをしてやり過ごしました」
「うへえー。なんともゾッとしない光景だなあそりゃ……まあ、なんだ、ありがとう」
と、そこまで言ったところで、タルラークの様子がおかしくなった。
「うッ……ぐ…」
膝をつき、右手で胸のあたりを抑える呻く。
「お、おい?大丈夫か?」
ケイゴが声をかける中、タルラークはローブから青い液体を取り出し、口に含んだ。
「はっ……はあ…ふぅ」
「……何、ヤク中かなんかか?あんた…」
「……人聞きの悪い…ただのマナポーションです」
「いや、ポーションも薬だし……」
タルラークは、さっきの悶えようが嘘のように、ケロリと立ち上がる。
「少し、場所をかえさせて頂けますか。私にとって人と話せる機会は貴重でして。……助けたから、なんて強制するつもりはありませんが、手伝ってもらいたい事があります」

それを聞いたケイゴは少し、いや、かなり迷った。
正直なところ、オオガキ達の事がかなり気になる。
襲われたのが自分だけとは限らず、他の仲間達がまだ襲われていないとすれば、早く知らせるべきだろう。
(でもまぁ、そう簡単におっちぬ奴らじゃねーか)

「おっけー。手伝うよ。あんたの身体に興味もあるしな」
「私はそういう趣味はありません」
「いや……。あ、手伝うかわりに、なんでそんなんになったのか教えてくれよ。俺がならないよう参考にするからさ」
「……こんな特殊な例は他にないでしょうし、聞いても意味はないと思いますよ」
「あらゆる事に備えれば常に余裕でいられるだろ?どんなに可能性が低くても」
タルラークは、それを聞いてもなお無意味な話だと思ったが、協力してくれるというのだから仕方ないと納得する。
「まあ、歩きながら話しましょう。目的地はそう離れていませんので」
言って、タルラークは歩き出す。
ケイゴも立ち上がり後に続く。
戦闘の傷は思いのほか浅いのか、特に痛みを感じることはなかった。
道を知るタルラークの数歩後ろにケイゴが追い付くと、タルラークは足を休めずに語り始めた。
「これは……わたしがこの身体になった理由は恐らく、貴方にも関係のあることです。いえ、理由ではなく原因ですね。我々はきっと、同じ敵を相手にしている」
「ほお?俺は友人のガーゴイル狩りに付き合っただけなんだけどなぁ、もしかして何か凄いのに巻き込まれてる?」
「ええ、それはもう、世界の命運がかかるような凄いものに」
タルラークの言葉は冗談にしか聞こえないが、その目は笑っていない。
「しかし、そうですか、貴方は本当に巻き込まれただけのようだ。これ以上踏み込まない方がいいのかもしれない。……やはり、村に戻りましょうか。お送りしますよ」
いきなり茶を濁し出したタルラークに、ケイゴは「はあ?」と言い、続ける。
「なあアンタ……あ、そういえば名前は?」
「タルラークです」
「俺はケイゴね。よろしく。んでまぁ、突然だが俺のモットー?っていうかな、まぁ生き方を教えてあげよう」
タルラークは、いきなり何を、という表情になりながらも、次の言を待つ。
「俺が求めるのは安定なのよ、何にも脅かされない、困らない、安定した日々」
「それなら尚更、関わり合いにならない方がいいですね」
「まぁ聞いてよ。俺は何事も経験だと思うんだ。一度経験したことなら、次から対処は容易になる。すると心に余裕がうまれるじゃん?経験と余裕があれば、ある程度のことは簡単に対処できる。つまーり、色んなことを経験してこそ真に安定した生活がのぞめるということよ。どうよ!」
「どうよ、と言われましても……。確かに経験はひとのレベルを上げますし、結果安定した生活にはなるでしょう。しかし今回の話の場合は別です、経験の『先』にいけずに生を終えるかもしれない、そんなレベルでの話です」
「そんなヤバイ話なのかよ……なら尚更行くしかなくなったぜ。俺の『経験』と世界の『安定』のためにな!」
タルラークはしばらく目を伏せ考え込み、やがて結論を出した。
「…行きましょうか。まずは私の目的の手伝い、頼みますよ」
ケイゴは薄く笑って返す。
「おう!」

「つーか、何でアンタはそんな、世界の危機なんかに立ち向かってんだ?」
「……。私は数年前、好奇心によって友人を危険に巻き込んでしまったのです…。ルエリとマリー、二人の友人を私の探究心で危険に晒してしまいました。一人はどうにか逃がしましたが、もう一人はどうなったか…。いえ、逃がした方も成功したかすら定かではない…」
タルラークが伏目がちに、唇を軽くかみながら言う。
「もしかしてそのマリーってよー、ピンクの髪のちっちゃい弓使い?」
タルラークが驚き、顔をあげる。
「何故それを!?」
「何故もなにも、ガーゴイル狩りに行く前に一緒に行動したからなあー、一日中だけなんだけど」
「無事だったんですね…よかった…」
タルラークが数年振りに友の無事を知り喜ぶ中、ケイゴが言う。
「お喜びのところ悪いが…彼女も多分、あんたと同じトコロに向かおうとしてるよ?そんな雰囲気だった」
「…そうですか。道はそう簡単にはわからないはずです…、しかし動きが悟られ敵に狙われる可能性もある…どうにかして止めたいところですね…」
「ま、俺の仲間と一緒に行動してると思うし、たぶん大丈夫。それより話の続きを聞かせてくれよ」
「え、ええ。そうでしたね、ええと」

その後目的地に着くまでの時間、ケイゴはタルラークの過去を聞いた。
ティルナノイのこと、謎の集団のこと、邪神キホールのこと。
それでも彼は闘う意思を覆さず、いい経験になるなこりゃ、とまで言ってのけた。
そして二人は目的の場所、シドスネッターの入り口に着く。

「おお、なんじゃこりゃ」
森の中に、木のない広場のようになった空間があり、そこの中央に柱が四つ。
その内側には石が敷かれている。
「ドルイドの聖地…というほどでもないですが、別の場所に続いている転移装置です。ここ以外から移動することは出来ません、何故か」
「…?転移装置って言ったらこの世界のどこかに移動するんだろ?なら陸路空路海路のどれかで行けるんじゃないの?」
「それが、どこにあるのかわからないんですよ。全くもって」
タルラークは言いながら装置にマナを流し込み起動させ、とりあえず行きましょうと言って石の円に立つ。
ケイゴが隣に立つと、柱がひかりだし、その光が目を閉じなければ耐えきれないほどの強さになった時、二人の身体は転移した。


「……さ、さむっ」
ケイゴが目を閉じたまま、両手で肩をさすりながら言う。
目を開けるとそこにあるのは、一面の雪景色だった。
「うわ、なんだここ。ピシスのどっか?」
ピシスとは、ジャイアントの住む雪国のことだ。
「その線で調べたこともあるらしいですけどね。ピシスにこんな土地はなかったそうです」
言いながらタルラークは、雪を踏みながら進む。
「私の目的は、この先に封印された『指輪』です」
「封印って…まさか番人とかがいて守ってるってんじゃないよな?」
「いえ。指輪を取ること自体はそう難しくありません。しかしわたしの身体では無理なのです」
「あ、そういやアンタの体質の理由聞いてないな。つーかマリーちゃん逃がしたとこまでしか聞いてないな。つづきはよ」
雪の降り続く雪原を歩きながら、再び過去の話を語り出す。
「マリーを逃がした後、我々は五分ともたず地に伏しました。キホールは高みの見物をしていましたが、部下のマウラスとモルガント、彼らの実力も並大抵ではなかった。倒れた私とルエリは、キホールの放った魔術によって消し飛んだ。そう思っていたのですが」
タルラークが腑に落ちない顔になる。
何故助かったのかは自分でもわかっていないらしい。
「次に目覚めたのは薄暗い森の奥。そして身体はダメージを受けすぎてほとんど動かせず、どの道助からないと悟りました。故に私は、自らの肉体を捨てたのです」
「肉体を捨てた…?そんなことが出来るのか?」
「ドルイドのみに許された秘術です。ソウルエディット…この術によって私の魂は、近くにいたクマの身体へ乗り移ったのです」
「へえ……でも人間に見えるけど」
「マナの力を受け借りて人間の姿へと変えているんですよ。変化形の魔術と思って頂ければわかりやすいかと。しかし、常にこの姿を維持するには、多大なマナが必要になる。そこで目をつけたのが…」
「その『指輪』ってヤツなわけね。して、どのくらいの効果なんだ?」
「言い伝えでは、無限の魔力を内包していると聞きますね。気づいてます?このシドスネッターにいる間、あなたも無尽蔵に魔力が湧いているはずです」
言われて初めて、自らの身体にマナがみなぎっていることに気付く。
「でもさ、そんな凄いアイテム、なんで誰も取りにこねーんだ?」
当然の疑問をぶつける。
戦争が起きてもおかしくないほどのレジェンド級ウェポンだ。
この世に特殊な武器装備はいくつかあるが、マナ無尽蔵なんて効果は上位に食い込むだろう。そして、魔術師なら誰もが、喉から手が出るほどに欲しいはずだ。
「理由はいくつかありますが、まず存在を知るものが少ないことが大きいでしょうね。指輪の存在どころか、この場所の存在を知り入れるのはドルイドとそれに関わるものだけです」
「ドルイド内で奪い合いになったりはしないわけ?」
「…。昔、一人のドルイド僧が指輪を奪い姿をくらましたことがありますが…。彼の隠れ家に選んだ村は、彼が来て数日のうち、村民がみな死に絶えたそうです。指輪を持った僧も含めてね」
ケイゴは息を飲み、タルラークがその理由を言うのを待つ。
「死因は殺し合い。僧も民も長も、互いに殺しあって死んだそうですよ。指輪を奪い合った痕跡も多々あります。しかし住民が指輪の効力を知るはずはない。わざわざ僧が言うはずがないですから。ならば何故、民たちは殺し合いなどしたのか」
正気の沙汰ではない。仮に指輪の力を村人たちが知っていたとして、魔術師同志が奪いあい争うならともかく、そうでないものまで皆死んでいるというのは異常すぎる。
「指輪には、周囲をそれほどまでに魅入らせる…いいえ、洗脳してしまうほどの力がある。だから、なんとか回収した他のドルイド僧たちは指輪を封印したのです。『ドルイド僧』を、弾く術式を施してね」
「なるほど、存在を知るのはドルイドだけだし、そのドルイドが触れなければ誰も持ち出せない、か。しかもそのドルイド達も、二回に渡るモイトゥラ大戦でほぼ死亡したと聞くしな……」
それなら誰も手にできる者はいない…そう思ったケイゴはしかし、気付いてしまった。
『俺』だ。俺なら手にできる。存在を知り、かつドルイドでない者。
タルラークは成る程、だから協力を頼んできたのかと。
「悪いがそういう話ならパスだ」
タルラークの顔を見て、告げる。
そんな話を聞いておいて、危険なものを取り出したくはない。
「……と、言いたいところだけどな…。あんたの事情も知っちまった。いいさ、協力してやろう。だが、目的を果たしてキホールを殺るか、指輪の魔力で大量の犠牲が出そうになったら、俺が奪ってここに戻す」
「……ありがとう」
タルラークは目を瞑り、それだけ言った。

「アレですね」
「あからさまにアレだなー」
二人の前、半透明な球状があり、その中心の台の上、指環が置かれている。
「なんてわかりやすいんだ」
「まあ誰も取りませんしね」
二人は数秒間指輪をみつめて、
「では、お願いします」
というタルラークの声で、ケイゴが歩み出す。
言われていた通りドルイド以外は弾かれないらしく、普通に球をすり抜け、指環に到達し、それを、手にとった。

~~~~~~~~
説明回でしたー
設定崩壊とかは仕様だけど矛盾があったら教えてください!
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アークズ

Author:アークズ
マビノギ的な小説はじめました。
でもマビノギじゃないかもしれません。
永遠の厨二病。黒歴史量産中。

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