マビノギ的な内容の小説を書いてるかもよ。 マビノギ知らない人も楽しめるように書きたいのかもよ。

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stage2-5 物語の始まり

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夢を見ていた。夢の中に自らの体はなく、見知らぬ女の声だけが聞こえる。
『――私の声が聞こえますか――』
聞こえる。しかし、その事を伝える術はない。それを知っているかのように、女は一人語り続ける。
『――エリンの地に危険が迫っています――』
『――どうか、ティルナノイへ…、私を、世界を救ってください――』
その言葉を最後に、意識が薄れていく。このまま目覚めるのか、そう思った刹那。
真っ暗だった空間に、何度か強い光が瞬く。
二度、三度と強く光を放つ空間の中心に、一人の女が立っていた。
真っ白い服に身を包む、黒髪を長く垂らした女。豊満な胸の上に添えられた手は、手錠のようなもので拘束されているように見える。
目を閉じ、闇に佇む女を見ながら。
オオガキは、意識を落とした。



目覚めたオオガキの目に飛び込んできたのは、宿屋の天井だ。
スバルが運んできてくれたのだろう。後で礼を言いに行こうと思い、昨日の体のダルさが全くないことに気付く。
二、三回ジャンプしてみてもなんともない。寝てる間になんらかの治療でもしてくれたのだろうか。
そのあたりも確認しておこうと思いつつ、荷物を置いて部屋を出た。
部屋を出たオオガキは、『異変』に気付く。
おかしい。何かがおかしい。

――音が、ない。

他の部屋や宿屋ロビーから聞こえる談笑の音も、朝食を作る作業の音も、外を飛び回る鳥の鳴き声までもが聞こえない。
オオガキは咄嗟に部屋に戻り、武器を手に取って再び部屋を出る。手入れされずに荒れ果てた墓地と。
――無数の、人間の死骸だった。

耳を澄ませながら階段を降りるが、やはり誰の声も聞こえない。
警戒しながらロビーを見まわし、誰もいないのを確認して宿屋の出口の扉を開ける。
開いた扉から外に出ると、そこは――。

「な…んだ…?」
人はおらず、草木は枯れ果て、渇いた風の吹き抜けるだけの荒野…、否。
その土地は、建物は、樹木の植えられている位置は、確かに昨日の、眠る前までいたティルコネイルなのだ。
しかし、到底同じ場所だとは思えない。この有様では、まるで何年も人が住んでいないかのよう…。
唖然とし立ち尽くすオオガキの耳に、音が飛び込んでくる。聞きなれる音――いや、これは声だ。
人の呻き声。
オオガキはハッとして、声の元を探る。
声を辿って歩いて行くと、その足はだんだんと墓地へ向かっていく。
嫌な悪寒が背筋を走り抜けるのを抑えて足を進め、見えてきたものは、

人間の死体の歩く、荒れ果てた墓地だった。



「は…っ!」
息をきらして顔を上げると、そこは宿屋のベッドの上だった。
辺りはまだ暗いが、今度は無音ではなく、外から虫の鳴き声や風の音が聞こえてくる。
体には夢と違って気だるさが残っていて、かといってあんな夢を見た後に寝る気にもならずにぼーっとしていると、見知らぬ声が聞こえてきた。
「おはよう、Baby」
声のする方角には窓。しかし発声源は外ではなく、室内でーー、
「だがもう一度眠りたまえよ。GoodNight」
オオガキが視線の端で声の主を確認したその時既に、その者は手にした剣を振りかぶってーー、
「な…んだと!?」
振り下ろした剣はしかし、オオガキに躱され、
ズッ…、という音をたてながら、ベッドが両断される。数秒前まで自分の首があった位置が切り裂かれるのを見て、オオガキは鳥肌をたたせながら後ずさる。
「You オオガキと言ったか。動かなければ楽に死ねると思っていい」
男は言いながら剣を再び構えてオオガキへと横薙ぎに斬りかかるが、オオガキはそれをギリギリでしゃがんで躱す。と、背後にあった扉が横一閃に裂かれて崩れ落ちる。
「huh...苦しんで死にたいならば止めはしない。身体のどこでも斬り落としてから首を断つとしようじゃあないか」
オオガキは状況も理解できないままに男の言葉を聞き、狙われている事だけ嫌でも把握する。
「この野郎…なんなんだよ…!」
思考はまとまらず、まともな質問にすらならない言葉を口から絞り出して、言いながらも次の攻撃を読んで、回避コースを図ろうとするが、背後は壁、それに続くドアだ。左にも壁があり、敵は右手がわから迫っている。
「まだ逃げられるかな?それとも立ち向かって見るかね」
敵が言うが、オオガキの武器は相手を挟んだ向こう側にあるし、それを取りにいかせてくれるとも思えない。
その通りだとオオガキの思考に頷くかのように男は剣を肩の高さ、横薙ぎに払えるように構え、
「もはや避ける空間はあるまい。bye さらばだ、少年」
別れとともに振られた剣は、横薙ぎに壁を抉り、そのままオオガキの胴をーー、
「……。boy そこで生き延びられては…格好よく決めた私の台詞が台無しじゃあないか…」
左には壁、右からは剣、背後は閉じられたドアという位置の中オオガキは生存した。思い切り、全霊の力で背後に飛び、ドアを破って廊下へ飛び出したのだ。
「ありがとうよ…あんたがドアに入れた切れ目のおかげで生き延びた…!」
確かに、ドアは剣で切られた部分から、オオガキの飛び退りによって割れていた。
「No…」
男が呟いた瞬間に、オオガキは外を目指して走り出す。部屋から出たことによって武器を手にすることは不可能になり、ならば逃げるしか手はない。
オオガキが階段に到達し一階へと駆け降りている時、上の階からズズズ、と妙な音が聞こえた。
ーー何をしてやがる…。
オオガキは思うが、しかし、
何をしてても今は逃げるしかないな…。
悔しいが、戦闘が出来るコンディションではない。奥歯を噛み締めながらも階段を降り切り、あとは目の前の廊下を数メートル歩けば外だが、しかしーー。
上から、何かが落ちてきた。


上から来たそれは、かなりの重量をもって地面に堕ちた。
それは、高さ1メートルほどの円柱、ーー否。
「天井…いや、床を切り取ったのか…!?」
そして、廊下を塞ぐように堕ちて来たその、柱の上。
「Exactly (その通り)。しかし少年、わかっているなら、言わなくていい」
片手に剣を持った敵が、立っていた。
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Author:アークズ
マビノギ的な小説はじめました。
でもマビノギじゃないかもしれません。
永遠の厨二病。黒歴史量産中。

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