マビノギ的な内容の小説を書いてるかもよ。 マビノギ知らない人も楽しめるように書きたいのかもよ。

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stage2-4 ガーゴイル、そして…

「なぁ」
森へと続く丘を上がる中、ケイゴが言った。
「よく考えたらよー、なんで俺達が行くんだ?別にいいけどよ」
聞いたスバルも疑問に思い、
「…確かに。村の安全のために策に乗りはしたけど。がっきー何で?」
話を振られたオオガキは、ギクリ、と擬音の鳴りそうな勢いで一瞬固まって、
「ひ、人の為になることするのもいいんじゃないカナー」
前を歩いていたケイゴとスバルは足を止めて、オオガキの方を見る。
「隠れて報酬なんて貰ってないだろうな…」
ケイゴが言い、スバルも、
「かわいい女の子に頼まれて断れずに俺たちも…というパターンもあり得る」
流石にこの二つの理由と並べられるのは嫌だったのか、オオガキが白状する。
「違うわ!まーその、何だ、新技の試し切りをしてみたかったと言いますか…。そんなこと考えてたら丁度いい奴らがいたんだよ」
聞いた二人は、そんなことか、と興味をなくしたようだ。止めていた足を動かし始める。
「しっかしガーゴイルなんてもんが、なんでこんな所にいるんだろうなぁ」
話をそらすかの様にオオガキが言う。
「誰かのペットだったりして」
真顔で言うスバルに対してケイゴが苦笑しながら、
「スバル…お前平然と言うから冗談に聞こえないんだよ…」
「まあ片付けた後に色々探ってみればわかるだろ…と。もうすぐそこだぜ」
唯一場所を知ってるオオガキが案内すると同時、木の陰から開けた場所が見えて、
『ウォォォ』、という唸り声が何重にも重なって聞こえてきた。

「うわー、思ってたよりいるなぁおい」
ケイゴが驚く中、スバルは冷静に数を数える。
「6、7、8体か…一気に相手するには骨が折れるな」
「飛び出して端の奴から倒して行くしかないな。俺のケイゴで行くから、スバルは魔法で後方支援を頼むぜ」
オオガキが言って武器を取ると、ケイゴも腰の刀を鞘から抜く。
魔術で闘うため基本的に武器を必要としないスバルは、両手に何も持っていない。

「よし…いくぜオイ!」
オオガキが小さく叫んで木陰から飛び出す。
目の前のガーゴイルはオオガキに背を向けている。振り向く前に…渾身の一撃を叩き込むッ!
ズアアッ!という、片手剣とは思えない斬撃音を立てて、剣がガーゴイルの体を引き裂く。
「一匹目…!」
オオガキが言うと同時、先の斬撃音に反応したガーゴイルが数体振り向き、その目に人間という異物を補足する。
『ウォォ!』
雄叫びを上げながら、三つの巨体がオオガキへと飛びかかってくる。
「ケイゴ!スバル!」
オオガキは叫びつつ、向かってくる一体の懐へ潜り込み、体へ右手の剣を突き立てる。
更に怯んだところを狙い、左手で巨体の首を薙ぎ払う。喰らった一体は倒れたが、その横からはオオガキ目掛けてもう一体の攻撃が――、
「うおらぁ!」
しかし、その攻撃はケイゴの刀によって阻まれた。
更に後方、攻撃の機を伺うようにしていたガーゴイルが、今度はケイゴ目掛けて飛びかかろうとするが、
「光よ」
スバル声と共に響いた、雷鳴にもよく似た音、そして宙を走る光によって阻まれ、
『ウ…ガ…』
更に、動きを止められる。緑がかったガーゴイルの巨体には、静電気のようなものがバチバチと纏わりついている。
「無駄だ、数秒は動けないよ。――いや、もう動けるようにはならないか」
言いながらスバルは右手に魔術の大本、マナを集中させて凝縮された雷のような玉を作り、動けないガーゴイルの心臓目掛けて撃ち放った。
「ふぅ…」
スバルが一体のガーゴイルを倒し溜息を吐いた頃には、ケイゴも獲物を仕留めた後の様だ。
残りの敵は、――5体。
戦闘の音に導かれたのか、同胞の血の臭いに導かれたのか。
残り全てのガーゴイルは、3人の方へと、禍々しい視線を向けていた。


「流石にあの数と一気に殺り合うのは骨が折れる…」
全員が思っていたことを、スバルが口に出す。他の二人も近接戦闘ゆえ、1vs1に特化しているが、スバルの魔法を使った戦闘は特にそうだ。
マナを凝縮して生み出した小規模な雷の魔法――ライトニングボルト――は、一体を攻撃するならば高いダメージを生み出し、相手を痺れさせ数秒拘束することもできる。
しかし複数体を同時攻撃するとなれば、凝縮されたマナは拡散し濃度が下がり、威力も減退して麻痺効果も薄れてしまう。高位の魔術を使えば絶大な威力で敵を殲滅することもできるが、そう簡単に身につくものではない。
更に目の前の5体の中には、これまでと種類の違うタイプのガーゴイル…、他と一回り体のサイズが違う上、腕には2メートル近くあろうかという、巨大な刃物…否、最早鈍器にもなり得るであろう重量の刃を握っている。
「ケイゴ、スバル、あのデカイの頼めるか?他の4体は俺がやる」
今にもこちらへと攻撃を仕掛けそうな敵の群れから目を離さず、オオガキが二人に問う。
問われたスバルは、
「…二人がかりなら倒せるだろうけど、4体もどうする気だ?」
その問いに答えたのはケイゴだ。
「例の新技ってやつを使うんだろ。いいぜ、お前がそう言うなら任せるわ」
聞いたオオガキは、おう、と呟いて目を瞑り、
「―――は」
短く息をはく。それと同時、オオガキの体は光に包まれ、
――ケイゴとスバルの前から消失した。
「消えた…?」
ケイゴが呟くと同時、ズザザザザ、と斬撃音が幾重にも響き、比較的近くにいた2体のガーゴイルが切り刻まれた。
しかし音に気づいて二人がそこを見た頃には、既にオオガキの姿はなく。更に奥の二体へと進撃するオオガキの残像だけが、その目に映る。
リーダー格のガーゴイルにもそれが見えたのか、オオガキの方へと攻撃を加えようとして、我に返ったケイゴとスバルによって阻まれた。
「ライトニングボルト…!」
スバルの掌から放たれた光が、ガーゴイルへ命中する。
敵の注意がスバルに移るも、動きが止まったのは一瞬。やはり他とはレベルの違うモンスターだ。
この場一番の巨体が、スバル目掛けて突進するも、半ばの距離でケイゴの刃に阻まれる。
『ウガァァア!』
足を止められたガーゴイルは、ケイゴへ向かってその手の刃を振り上げる。
「はっ――」
ケイゴは息をはきながら体を僅かに動かし、刃をスレスレの位置で躱す。そして、
「胴がガラ空きだぜェェェ」
隙だらけの敵の懐目掛けて、横薙ぎの一閃。
しかしその刃は、ガンッ、という音と共に皮膚に弾かれる。
「なんつー硬さだよ…!」
ケイゴが毒を吐く間にも敵は手を引き戻して振り上げ、この一撃で殺さんと振り下ろす構えとっていた…。



スバルは状況を確認する。数メートル先にはボス格のガーゴイルとケイゴが向き合い、その更に向こうでは――、
「ハァ…ハァ…くっ…そ」
地面に倒れ寝転ぶオオガキの姿がある。その近くには二体のガーゴイルの死体。倒した後に、なんらかの理由で倒れたのだろう。
故に、こちらへの協力は期待できず、ケイゴと二人で倒すしか無い。
しかしスバルの主力攻撃である雷魔法『ライトニングボルト』は、既にこの敵に対してほとんど効果を発揮しないことが先の攻撃でわかっている。
ならば、――どうする。どうすれば奴を倒せる。ケイゴの剣術に任せることも出来るが、それで倒せる保証はどこにもない。
だが、スバルは仲間の力を信じ、後方支援に徹することに心を決める。
思考する中でもケイゴ達の戦闘は続き、ケイゴが敵の刃を躱して懐に一閃を叩きこむ。しかしその一閃は、ガーゴイルの硬い皮膚によって弾かれる。
弾かれるとは思っていなかったのだろう、ケイゴが、なんつー硬さだよ、と吐き捨てる聞こえる。
その間にも敵のガーゴイルは刃を地面から戻し、振り上げ――、
「まずい…!」
スバルが呟く。ケイゴのあの弾かれた体制では、回避は間に合わない。ならば。
カッ、と、スバルの腕からライトニングボルトが放たれる。
今戦っている相手にほとんど効果はない。だがそれでも、一瞬の判断を鈍らせることくらいならば出来る…!



ケイゴは、まずいと思った。
敵の隙を突き懐へと叩き込んだその一閃が弾かれ、逆にこちらが隙だらけになる。予想外の事態。
更に敵は素早く剣を戻し、こちらを叩き潰す構えだ。
そしてその剣が振り下ろされ――、ようとした、その直前。
目の前が閃光のような光で照らされ、一瞬だけ目が眩む。
だがそれはこちらだけでなく、敵ガーゴイルも同じ。この瞬間を利用して飛び退り、回避を――、
「――ッ!!」
飛び退るケイゴの眼前、数ミリと言っていいところを敵の刃が通過する。
先の閃光がなければ敵の判断は数瞬たりとも遅れず、ケイゴはミンチにされていたことだろう。
援護してくれたのであろうスバルに礼を言いたいが、今は敵を倒すのが先決だ。
しかし、敵の硬い皮膚を貫くためには――、
「使うぜ…!」
言って、右手の剣を鞘に戻し、背中の太刀を引き抜き構える。
敵は動きを止めこちらを警戒しているが、ケイゴは体制を整えると、
その敵目掛けて、足を踏み出した。
短い距離を駆けながら、敵の動きを観察する。
手の動きから察するに、次の攻撃は――、
「横薙ぎ…!」
素早く敵の動きを察知したケイゴは膝を曲げ跳躍体制をとる。
ケイゴの予想通り、ガーゴイルは刃を横向きに振り、
ダンッ、と地面を蹴って飛び上がったケイゴの、元いた場所を斬る。空振り――!
ケイゴは跳躍の勢いを殺すことなく着地し、更にその勢いを利用しながら前に体を押し出し、突きの形に太刀を構えて、
「チェストォォォ!」
豪快な叫びと共に、正確に、その敵の心臓を貫いた。


「見ててヒヤヒヤするような戦闘するのはやめてくれよ…」
ケイゴが太刀を引き抜き一息つくと、後ろからスバルが声をかけてくる。
「へっへ、戦士の経験を活かしてみたんだ、かっこよかったろ」
ケイゴがにやりと自慢気に笑いながら言う。
「その割にはやられる寸前だったりしたみたいだけど。俺のおかげで勝てたんじゃない?」
対するスバルも皮肉げな笑みを口元に浮かべた。
「たしかになー。ありゃ助かったぜ、ありがとう。でもスバル1人でもアイツは倒せなかったろうよ」
「相性が悪かったからなぁ…。ま、今回は両方の手柄だね、それよりがっきーだ」
スバルが言って、二人はオオガキの倒れている方へと歩み寄る。



視点が定まらない。呼吸が安定しない。重心を保てずに後ろへと倒れてから、どれだけ経っただろう。
聞こえるのは、自分の荒い呼吸音。その向こうに足音が聞こえる。
自分の任された、請け負ったガーゴイルは全て倒したはずだ。そこまでの記憶はハッキリと残っている。
ならば今近づいている足音は恐らく、ケイゴとスバルのものだろう。鈍い思考を働かせる。
思った通り、上から響いた声は二人のものだった。
「よ、がっきー大丈夫?」
「新技っつーのも凄まじかったけど、お前の汗も凄まじいな…」
心配され、オオガキは疲れ果てた口を動かして答える。
「だ、大丈夫…じゃねえ…。悪い起こしてくれ…」
聞いたスバルが手を差し伸べてくるが、オオガキには握る体力も残っていない。
それを察したのか、スバルはオオガキを背負うような形で持ち上げた。
「悪いなすっちー…マジで全然動けん…」
「…戦闘中はスバルって呼ぶのに、終わったらすっちー呼びに戻るのな…。まぁ気にするな」
背負われてうなだれるオオガキを見ながらケイゴは、
「スバル、そいつ宿まで背負ってけるか?」
「…いけるけど、ケイゴは戻らないのか?」
スバルの言葉を聞きつつ、ケイゴは辺りを見回し、
「怪しいもんでもないか調べてく、まあすぐに戻るけど、オオガキはさっさと休ませなきゃやばそうだ」
「そうだな…、じゃあそっちは頼むよ、また後で」
「悪いな、ケイゴ」
言ってまた項垂れるオオガキの言葉を背に、ケイゴは辺りの散策を始めた。



「目立った物はないな…」
スバル達と別れてから5分近く。ケイゴが、辺りの森やガーゴイルの死骸を眺めながら呟く。
ケイゴは調査の専門家ではない。一介の冒険者に過ぎないので、死骸に多少の影響があったところでわからないが、念の為調べておいた。
とりあえず素人目にもわかるような目立った異変がないことを確認して、その場を去ろうかと思っていた、その時だ。

足音。
響く靴の音から、数は一人と判断できる。オオガキを宿まで送ったスバルが戻ってくるには早すぎる、恐らく別人だ。
ケイゴはそう判断して、近くの木陰へと身を隠し、呼吸をできる限り潜める。
足音の人物は、広間状になっている死骸だらけの空間の入り口で足を止め、死臭の漂う中辺りを見渡す。
ケイゴは気配を最大限まで絞り、木陰から音の方向へ視線を向ける。
立っているのは、赤黒いローブに身を包んだ人物。体格からして男だろう。武器は見えないが、ローブの中に隠し持っているかもしれない。
敵か味方かもわからない今、迂闊に動くことはできない。身を隠してやり過ごそうとケイゴが思案しているが、
「君は、それで隠れているつもりかね?」
男の声が響く。声は低めで、40歳近い渋みを帯びている。
「くっそ…バレバレかよ、やるなぁ…」
隠れるなどと甘い考えが通用する相手ではないと観念して、できれば敵でないことを祈りながら、ケイゴは木陰から広場へと歩み出る。
ケイゴは両手を広げてひらひらと動かし戦う気はないアピールをしながら、
「俺はただの通りすがりだよ、なんも知らねえ、帰っていいか?」
男の表情はローブに隠れて窺い知れないが、沈黙の後に応える。
「そこのヘビーガーゴイルの体の傷…君の刀によるものに見えるがね」
ヘビーガーゴイル…恐らく一番巨体の、ケイゴが倒した敵のことだろう。
ケイゴがどうこの場を切り抜けるか考える間もなく、ローブの男から次の言葉が飛んでくる。
「我々の…ポウォールの意思に背く者には……、」
男はそこで一度区切り右手を前に出し、ぼそり、と何か呟いた。
その呟きは魔法の詠唱であったのか、右手を覆うように、虚空からいくつもの火の玉が出現する。
「ここで、消えてもらおう…!」
男が低く叫ぶと同時、ケイゴも腰の刀を引抜き構えた。


ポウォール<魔族>と人間達の闘争の幕は今上がった。
さぁ、これよりグランギニョル<恐怖劇>を始めよう。
~~~~~~~~~~~~~~
移転してからの小説初投稿。
記事の雰囲気によってデザイン変えてえ…とか贅沢なこと思ってないから!ないから!
でも作品全体の雰囲気がかわりそうならデザインも変えます!あしからず!
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プロフィール

アークズ

Author:アークズ
マビノギ的な小説はじめました。
でもマビノギじゃないかもしれません。
永遠の厨二病。黒歴史量産中。

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